【小説第14話】たぬきからの脱出

「はいはい。充分に存じております。私は今日でクビ……って、えーーーーッッ?!」

 意図せず華麗なノリ突っ込みを披露することになったジェリーは、望月課長のデスクの前に駆け付け、足りない身長でぴょんこぴょんこしながら今にも掴みかからんばかりの勢いで抗議する。

「どどどどど、どうしてですかッ?! そりゃあ確かに人より少—しばかり遅刻は多いかもしれませんがッッ!!!」

 机から身を乗り出して、じたばたともがいているジェリーを見下ろしながら、課長は再び丸眼鏡をくいっと持ち上げる。

「いや、遅刻が多いからとか、勤務態度が悪いからとか、そういう理由だったらとっくの昔にクビにしてるから」