【小説第9話】たぬきからの脱出

「うー……」

 うめくようにあげた声が、こころなしかいつもより少し高い気がした。

 重い瞼を無理矢理持ち上げると、かすんだ視界が徐々にクリアになっていく。

 背景は、なじみのショットバー「K」。

 心配そうにこちらを覗き込んでいるのは坊主頭のマスターだ。

「——んぬぅー……?」