【小説第8話】たぬきからの脱出

「んぁ~~~? 何ですかな、それはぁー?」

 酔いのせいで既に目の焦点が合っていないジェリーが、興味深げに身を乗り出した。

 茶色い瓶に、青いラベル。サイズからしても、オロ○ミンCとかリポ○タンDとか、そういったものを想像させる。

「私が見つけた、その日の酔いを次の日に残さない『とっておき』ですよ」

 紳士はそう言って意味深に笑った。もはや『その日』でも『次の日』でもないことなど気にならないくらい、とんでもない秘密を隠していそうなとっておきの笑みだ。